厚木市 勇善会 空手道 スポーツ少年団
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空手道場


剛柔流国際空手道古武道連合総本部

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国際ホームページで公開した記事を翻訳して適宜掲載します。
2021.1.1


 空手の流派について
 空手は沖縄生まれの武道です。昔は唐手と書きました。地域(首里、那覇、泊)による違い、師匠による違い、影響を受けた中国武術の違いによる個性の違いがあります。剛柔流・上地(うえち)流・松林流(小林流)を沖縄の三大流派といいます。これらの流派は使用する型だけでなく戦闘思想や戦闘理論まで違います。
 大正時代から昭和初期に指導者が本土へわたり中国武術と混同されないように空手とかえました。本土で組織された流派に松濤館(しょうとうかん)流・和道流・糸東(しとう)流があり、そのまま伝わってきた剛柔流をあわせて本土の四大流派といいます。
 流派はさらに会派や団体に分かれ、あるいは最近は新しい流派がどんどん作られる傾向にあり、さらにはキックボクシングなどから生まれたカラテも現われ、
ますます多くの流派、会派、組織に分立する複雑な業界になっています。


↑剛柔流の創始者、宮城長順。100年前。
↓現在の勇善会の型




型の名前の意味
 日本式(剣道、柔道など)には「形」、沖縄式には「型」の字を使います。表演することを意識するか、鍛錬を意識するかの違いだと思います。セイエンチンという重要な型があります。口伝で伝わってきたため正確な漢字は分かりません。セイユンチンとよばせる道場もあるようです。
  空手の型の名称は奇妙なものが多いです。19世紀頃の中国南方の言葉が原型だからです。
 明治はじめの頃まで空手の指導は秘密主義でした。簡単には弟子入りさせてくれず、夜こっそりと師匠の家へ行って学んだそうです。謝礼も大変だったようで、型ひとつ教わるために田畑を売ったという言い伝えもあります。「型」は師から弟子へ口伝えで教えられるのみでした。文字や書物にすることはありません。門外不出だったわけです。
 明治より前の沖縄は琉球王国でした。役人として採用されるためには学問や詩、芸能、武術の素養が国王の面前で審査されました。空手の型がうまいことは役人になれるかどうかの大きな要素でした。それゆえ空手の型は中国の型と違って芸術的な様式美を持つようになったと思われます。 
 型の名称はカタカナ書きが基本ですが、それぞれの会派で漢字を推定しています。セイエンチンはその風格から、遠い間合いの敵を鎮める「征遠鎮」とか、敵を引っ張り寄せて戦う「制引戦」と書かせる道場が多いようです。私は、空手に強い影響を与えた中国南方の武術の中に鷹拳(たかけん)とか金鷹拳(きんようけん)という拳法があり、セイエンチンには鷹拳の技法や雰囲気が強く見られるため「青鷹戦」と書くことを支持しています。
 他にサイファは獅子法、シソーチンは蟋蟀(シソウ)戦と推定されています。シソウとはこおろぎのことですが、こおろぎはかなりどう猛な虫で中国南方には、こおろぎ同士を戦わせておカネをかける娯楽もあります。パイクーやヘイクーのクーは「虎」のことで、白(パイ)と黒(ヘイ)の二つがあるということですね。型は動物の戦闘方法をヒントにしたものが多いです。それを知っておくと型を行うときにイメージしやすいと思います。

2019.8.2 巻き藁(まきわら)
 これは「まきわら」という空手の代表的な練習用具のひとつです。これで正拳や手刀をはじめ、手足の各部位を鍛えます。上へいくほど薄くなるヒノキの柱でできており、先端には皮がまいてあります。そこを突きます。


 まきわらはたいへん弾力性があります。
鍛錬では正拳突きをしたらすぐ拳を引くという動作はせず、突いた瞬間、肩と甲骨の動きで拳をさらに押し込みます。そして、手がまきわらの弾力でハネかえってくるのを自然にひき手します。下の写真を見てください。
また写真をクリックすると打ち込んでいる動画がみられます。



















 空手の突きは、当たった瞬間と、押し込んだ瞬間の二つの衝撃のピークがあります。
中段を突くときは背骨を折るつもりで、上段を突くときは後頭部へ正拳が突き抜けるつもりで、と昔から言われています。


 空手の突きとボクシングのパンチは違うタイプの突きです。空手の突きは突きの衝撃を身体の奥まで押し込む突きです。だから、まきわらで鍛えた拳や手と全身の動きは板、カワラ、石、ブロック、レンガなど固い物を破壊する威力を持つわけです。
巻き藁を突くと、突きが全身の運動だということがよくわかります。空手は、まきわらで拳や手刀を鍛えるのが本当なのです。

2017.2.19 昔ながらの稽古法 掛け手
 
空手伝統の練習方法のひとつ「掛け手」。下の画像をクリックしてください。


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この写真は、相手の右中段逆突きを左内受けで受けると同時に右引き受けで袖を引っぱり相手の勢いを前方へ崩し、間髪を入れず相手の右腕を左回し受けして体のバランスを後方へ崩し、ガラ空きになった体に中段突きを入れるという、相手の重心をコントロールする訓練で、引き受け・裏受け・回し受けという剛柔流特有の受け技の感覚を体得する練習です。
 これによって相手の体のバランスを崩して相手を投げたり倒したりするコツを会得します。
 円運動は空手の原理です。



2017.1.3獅子舞と空手の型

  

 むかしはお正月といえば獅子舞が"家庭訪問"してきたものでした。今は各地域どうでしょうか。(写真は沖縄の獅子舞)
 獅子舞は日本各地で見られる民間伝承ですが、実は南アジア・東南アジア・東アジアに広く見られる民俗芸能でもあります。スリランカ人は自分たちをシンハラ族とよんでいますが、これは獅子(シン)の子孫たちという意味です。旧正月の横浜中華街の獅子舞はよくテレビで報道されますし、沖縄の獅子舞はたいへん豪快でパワフルな蹴り上げなど見られ格闘技的な要素を感じます。

 

 さて剛柔流空手にサイファ(獅法)という型があります。(写真左)よんで字のごとく獅子の動作を表象した型です。また鶴拳の要素もあります。獅子頭をつけたら獅子舞そのものではないかと思ってしまいます。上の写真の動作は中国南方から台湾、沖縄にかけて武道や芸能の神として広く信仰されている九天風火院という道教の神の姿勢ととても似ています。(写真右)

 その中国南方の福建省の福州地方は空手のルーツの地のひとつです。そこでは獅子舞のことを拍獅(パウサイ)といいますが、空手の型にパッサイという型があります。また獅子舞の頭役を陣頭(チントー)とよびますが、空手の型にもチントーという型があります。なんらかの関係があるのではと思います。

 

 アジアでは獅子は神秘的な力の象徴です。獅子舞は各民族の神事や芸能、武術と深いかかわりを持ってきたのでしょう。(写真はサイファの一場面。獅子が吠えるイメージで敵の脇腹の急所へ獅子の拳を打ち込む。)
 サイファは古い動作、たとえば武士のちょんまげを指でひっかけて頭をたぐりよせる動作とか、自分のちょんまげを敵につかまれないように後頭部を守る動作などあって歴史的に興味深いです。